
いつも思うのは、僕が東京にやってきた80年代の半ばから、新宿の東口の景色というか、人々のたたずまいは変わらない。たとえばそれは原宿の竹下通りも同じで、あそこは、中学生とか高校生であふれている。それは昔から変わらない。同じ人がいるわけではなく、年頃になると竹下通りに行き、大人になると行かなくなる。いつも新しい中高生がやってくる。
ここ新宿東口交番前の夕方の景色は同じように、大学生くらいの年格好の若者がいっぱいいる。
30年前にも同じようにこのくらいの年齢の人で

あふれていた。そして、今日までそれは続いている。
20歳を過ぎ、酒が飲めるようになった人たちが安い居酒屋へと向かうのだろうか。合コンだろうか。そういう風景は昔から変わらない。
さて、そんなわけで今回は新宿を散歩する。夕暮れ時、ゴールデン街まで歩くつもりだ。目的は煮干しラーメンで有名な「凪」という店に行こうと思っている。新宿駅東口を出る。スタジオアルタは、僕が東京にきたときからある。スタジオアルタができる前、ここには「二幸」という食料品販売店があった。なぜ知っているかといえば、ここ

スタジオアルタから今も生放送されている「笑っていいとも」でタモさんが言っていたからだ。テレフォンショッキングで次回のゲストにスタジアルタの場所を説明するのに「前の二幸ですね」とよくタモさんが言っていた。あれを言わなくなったのはいつぐらいからだろうか。
新宿通から靖国通りへ向かう。靖国通りを渡れ

ば歌舞伎町だ。僕が東京にやってきたばかりのころ、靖国通りに立ち、山手線の方向を見ると、そこには「PIONEER」のイルミネーションがあった。いまそこには「大塚商会」となっている。
靖国通りを渡り、山手線とは逆の方向に歩くと「新宿遊歩道公園四季の道」と書かれた小道の入り口がある。かつてここは都電の線路があっ

た。今は緑が植えられた歩道となっている。ここを進めば、その右側にゴールデン街が広がる。僕が20代だった1980年代、ゴールデン街といえば怖い、大人の酒場が並んでいる場所だという認識があった。ヘタに入ると、ケンカをふっかけられてしまうというようなイメージである。実際どうであったかは、よくわからない。そういうイメージがあるから僕はあまり行かなかった。ここのところは、そういうものも払拭され、ごく安心して飲める店が並んでいる。
というわけで、ゴールデン街へ入ってみよう。ここからは、カメラはバッグにしまたほうがいい。

ゴールデン街の撮影は許可が必要である。事前に許可を得ないで撮影しているとトラブルになりかねない。と、バッタリと出くわしたのが大川恵子さんだ。ちょうどお店を開ける準備の最中。「わ、マグロさん、私のお店ここ」。実は、大川さんとはこの前日に荒木町を歩いているときにバッタリあった。数十年ぶりだった。彼女は僕

より先輩の編集者である。かつては出版社にいらっしゃったが、いまはフリー。今年の6月にゴールデン街に「ビッグリバー」というお店を出されたということを聞いたばかり。なんとも偶然である。さっそくお邪魔することにした。店内には有名作家やイラストレーター、漫画家の色紙がある。ビールをいただきながら「そういえば、カレーライスがおいしいとか言ってましたよね」とカレーもいただく。週替わりでビーフとチキンになるそうで。今週はビーフ。これがスパイシーで旨い。1人だったお店も時がたつにつれ、どんどんお客さんが入ってきたので、辞する。

カレーライス食べたけど、なんだかもう少し食べられそう。というわけで、当初の予定通り、煮干しラーメンの
凪 新宿ゴールデン街店に向かうこととした。以前からネットなどを見て気になっていたお店で、今回が初訪問。ゴールデン街G2通りに看板発見。ドアを開け、階段を上がっていくと自販機がある。煮干ラーメン750円にする。店内は暑い。先客が一名だけ。が、その
後、どんどんお客さんがやってきて、ちょうど満席になったところで、煮干ラーメン到着。スープはたっぷり煮干しの味がするのだけれど、思ったほどクセはない。おいしいのは麺。ツルツル食べられた。食べ終わる頃には、階段に行列。アワアワ。調子に乗って全部食べてしまったが、さすがに外に出ると腹がパンパンだ。ふーっ。というわけで、花園神社でお参りなどをして明治通りまで歩き、寄席の末廣亭などの前をブラブラ散歩しながら帰宅の途についた。
お酒はほとんど飲まず、食べるばかりのおいしい、ゴールデン街散歩であった!
コメント
最近、行ってないけど…。
今のゴールデン街は昔ながらの怪しいお店も残っているし、
まったく新しいタイプのお店もできて、
なかなか楽しいですよ。
そーですかぁ。昔は終電過ぎてからが賑わっていたのにねぇ。
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