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暑い日が続いている。

たいていの人は一日のうちクーラーの効いている室内にいる時間があるはずだ。

しかし、一日中、クーラーのない場所にいることが当たり前だった時代がある。

僕が子供だった昭和30年代は一般の家庭にクーラーがあるのはまだ珍しく、個人経営の小さな飲食店などはクーラーがないのところはザラだった。今は飲食店でクーラーのない店というのは珍しいだろう。

というわけで、クーラーのないお店を求めて赤羽にやってきた。

赤羽という街そのものが、どこか懐かしい、昭和の雰囲気を残している。


赤羽餃子センター 外観

今回は東京メトロ南北線の赤羽岩淵駅をスタート。

「赤羽中央街商店街」という看板が目に入る。12~20時は歩行者天国なのだそうだ。平日の昼間ということもあるのだろうか、とにかく人通りはまばらである。

そこに、「ラーメン」というのれんの掛かったお店がある。店の正式名称は「赤羽餃子センター」というのだが、その店名から想像するお店とはまったくかけ離れた店構えである。




赤羽餃子センター

よく「昭和の雰囲気を残した」というような表現をする場合がある。それって昭和50年代とか60年代ぐらいだったりするのだが、ここ「赤羽餃子センター」は、昭和もど真ん中の20年代から30年代の雰囲気である。



まず、入り口の戸が古い。サッシではなく木枠にガラスが入ったもの。


赤羽餃子センター メニュー



夏だから開け放たれている。店内にはクーラーどころか、扇風機もない。

到着したのは平日の13時少し前。先客が一人。

カウンターだけのお店だ。奥に座る。

まるで映画のセットにでも入り込んだ気分だ。


赤羽餃子センター 炒飯

高齢のご主人がお水を出してくれた。ご夫婦でお店をやっていらっしゃるようで、カウンターの中には奥様もいらっしゃる。

なにを頼もうか。壁を見ると、もうどのくらいここにこのままあるのか、判読不能なメニューがある。ちょっと見たところ、ラーメンが270円。価格そのものも時間が止まったようなかんじだ。


赤羽餃子センター 餃子

実はラーメンを食べる気でいたのだが、吹き出す汗で断念。先客が食していたチャーハンと餃子を注文する。

店内を見回せば、食器が置かれている棚などは実に古い。少し新しいのが、湯沸かし器。さらに新しいのは冷蔵庫。これは新式。しかし、その他は本当に時間が止まっている。

チャーハンは5分ほどで出てきた。チャーシューがたっぷり入ったおいしいチャーハンだ。そしてチャーハンを半分ほど食べたところで、餃子到着。餃子は奥さんが焼いて、出してくれた。餃子は大ぶりである。皮はモチモチしていて具だくさん。

大汗をかきながら完食。「ごちそうさま」と言うと「670円です」とご主人。えっ、そんなに安いの。うれしなぁ。

外に出て、そのあたりをひとまわりしてまた戻ると、もうお店の前には「準備中」の札がかかっていた。




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