『おつまみスープ』という本を昨年書いた。
といっても、中身のレシピなど、
そのほとんどは、西益屋ハイジという料理研究家が書いている。
これは汁で酒を飲むことを勧めている本だ。
汁で酒を飲むことを僕たちは「汁飲み」と称している

そのハイジさんから、浅草の「酔心 花の里」というお店で、
汁飲みの会をやるから来ないかと言われた。
そりゃ、いくしかないでしょうと、出かけた。


浅草。ちょうど、東京マラソンの日で、浅草も多くの人がいたし、
ランナーたちが駆け抜けていくのを見ながらちょっと散歩。
 

というわけで、これが西益屋ハイジ氏。名前じゃわかんないが、男。まあ、おっさんだ。
どういう縁で彼と知り合ったかといえば、実はある出版社で僕と北尾トロの本を担当してくれた編集者だった。
彼が、会社をやめ、フリーの編集者になって、
僕の『歩行力』(ナショナル出版)という本を担当してくれたりした。
そこまでは、本名のつきあいだったんだけれど、
その後、このペンネームで料理関係の本を何冊か書いている。

で、今回、汁飲みの会が行われた「酔心 花の里」というお店が変わっていた。
女将はパチンコなどで有名なタレントにして、ライターの五月女 圭紀さん。
読み方が、むつかしい。これで「サオトメ・タマキ」と読むそうだ。
その方が女将をつとめるお店。
そう、この美人が五月女さんだ。


というわけで、この日の汁飲みメニューを次に紹介しよう。
もともと「汁飲み」はけっこう一般的だった。蕎麦屋に今も裏メニューであったりする「抜き」がそうだ。
「天抜き」とか「鴨抜き」とかいうのだけれど、これは天ぷらそばのそばを抜いたもの。
あるいは鴨南蛮のそばのないものである。
関西では肉うどんのうどんを抜いたものを「肉吸い」と呼んだりする。
といわけで、最初にハイジ先生が出してくれたのが、まさにそんなメニュー。
鶏がらスープに牡蠣フライというもの。

いやぁ、これ旨かった。
これね、いいかんじで、お汁にカキフライが浸ってって、中まで熱々。
今回の中でどれをおかわりしたいかと問われれば、迷わずこれ。
で、次がこいつ。

「タラトール」というブルガリアのスープ。火を使わずに簡単にできる。
ヨーグルトに水を入れて、キュウリを細かく刻んだものが入っている。
これ、おいしいよぉ。
そして、これが五月女さんの旦那さんが、
じっくり煮込んだ、牛テールスープ。

トロトロに煮込まれていて、味付けは、塩、胡椒など自分で味をつける。
これ、面白かったなぁ。だんだん味を変えて、ちょっとお醤油を垂らしたりしてね。
で、これもグッド。というか、これはお酒とスープが合体した「昆布梅焼酎」。



作り方はいたって簡単で、焼酎のお湯割りに梅干と昆布を入れているだけ。
でもね、これ飲むと、お吸い物みたいなかんじになるんだよね。
ついつい過ごしてしまう一杯。

そうこうするうちに五月女さんの旦那さんのもう一品。
ハチノスのスープ。



これも自分で味付け。実は僕、ホルモンとかこういう内蔵系が苦手なんだけれど、
こいつはトロトロに煮込んであるので、大丈夫。完食しました。

というわけで、こんなレシピが満載の「おつまみスープ」をぜひ家庭に一冊!

おつまみスープ──お酒に合う汁ものレシピ77
おつまみスープ──お酒に合う汁ものレシピ77 [単行本(ソフトカバー)]