NHK連続小説の『あさが来た』は、いよいよ東京編が始まった。

あさは、大阪から船で横浜まで行き、横浜から汽車で東京にきたというナレーションがあり、
東京の町でいきなり遭遇するのが武田鉄矢扮する福沢諭吉とその門人たちだ。

諸説あるが、福沢諭吉は日本で最初に散歩をしたひとりとして知られている。

えっ、じゃあ、それまでの人は散歩をしていなかったかというと、どうにも説明が難しい。
ここで、使われている散歩は、今でいえばウォーキングということになるだろう。


交通機関が発達していないころはすべてが徒歩移動だ。だからみんな歩いていた。
歩くことは移動の手段でしかなかったのだ。

福沢諭吉は歩くことこそが、健康にいいと、西洋の書物で知り、実践していた。
つまり、歩くことが手段ではなく、目的となった。

福沢諭吉はウォーキングを朝の日課として行っていた。
夏は午前四時半、冬は五時半に三田をスタートし、広尾、目黒あたりまで約一里半(約6キロメートル)を歩いたのだそうだ。

このウォーキングに福沢諭吉の門人たちもついていった。
やはりその姿は当時としては珍しかったようで、
彼らを散歩党と呼んでいたんだそうだ。やはり変わった眼で見られていたのかもしれない。

しかし、こういったウォーキングの習慣は、明治のインテリ層に広がっていく。森鴎外や夏目漱石もウォーキングをしたそうだ。

夏目漱石は小説「三四郎」で散歩を登場させている。散歩と言う言葉と同時に、「歩き散らす」という表現も使っている。

朝ドラで、あさたちは東京でどんなところをどう歩くのだろうか。今日の放送では、あちらこちらを歩き、最終的には築地の五代友厚のもとを訪ねたというところで終わった。

ますます、今後が楽しみだ。